IT 管理: ビジネスの中核を担う IT

IT 部門が、推進力、促進力、およびソリューションとして、ビジネス アクティビティの中核を担っていることは、これまでにも言われてきましたが、今ほど、それが真実であることはありません。

Romi Mahajan

繰り返しは、リズムと強調の両方において、アイデアを強める方法としてよく知られています。不動産会社は、不動産の価値は「場所がすべて (location, location, location)」と言うでしょう。偉大なピアニストのアーサー ルービンスタインが、通りすがりの人からカーネギー ホールへの行き方を聞かれたときに「練習あるのみ (Practice, practice, practice)」と答えたことは有名な話です。論争好きなダグラス マッカーサー将軍は、退役に関する最終的な考えでは、いつも「とにかく軍隊だ (the Corps, and the Corps, and the Corps)」と言及していました。

今日ビジネスと IT の両方に関与している人は、ビジネスの中核に IT があることを理解する必要があります。そのため、IT 部門はビジネスの「中核を担っている」(the core, the core, the core) ということが言えます。IT 部門が企業の大半の人から正しく理解されていないため、今日 IT がビジネスに動力を提供しているという考えは、誤解されることがあります。人々は、IT 部門を価値と生産性を創出する部門ではなく、単にリソースを消費している部門だと見なしています。その結果、IT 部門は、気まぐれなビジネス サイクルと責任のなすり合いにさらされているというのが、今日のアメリカの企業文化を表していると言っても過言ではありません。

このような現状は変えなければなりません。企業における IT 部門の役割と動的な IT 戦略がもたらす可能性を本当に理解するには、このような誤解が二度と起こらないようにする必要があります。そのためには、排除すべき誤解のリストを作ることが重要になります。

  • 誤解その 1: IT 部門は、収入、利益、および結果を創出するプロセスから切り離されたオタクの巣である。
  • 誤解その 2: IT 部門は寡黙であるのが望ましく、空気のような存在だと考えている。
  • 誤解その 3: IT 担当者は、個人プレーを良しとするので、IT 部門は企業の他の部門から隔離されている。
  • 誤解その 4: IT 部門は顧客を理解していない。
  • 誤解その 5: IT 部門は、企業リソースのお荷物で、リソースに見合う価値を創出しないコスト センターである。

今度は、IT がビジネスの中核を担っているというアイデアに立ち返って、これらの誤解に対する対抗案を出しましょう。

  • 対抗案その 1: IT 部門は、現在企業における唯一最大の資産である "従業員の生産性" に動力を提供しています。生産性の基盤となっている IT 部門が、収益と結果の創出から切り離されているという考えは、おかしな話です。
  • 対抗案その 2: 優れた IT 部門とは、目立つ IT 部門です。革新とは騒がしく破壊的で、優れた IT 部門は革新的です。IT 部門は、社内の他のどの部門よりも頻繁に、または同じくらいの頻度で、新しいデバイス、新しいシステム、新しいやり方を導入しています。
  • 対抗案その 3: 事実、IT 担当者は、企業の他の多くの部門よりも、単独で作業することは多くありません。すべての IT ユーザー (全従業員) が IT 部門の顧客だと考えれば、標準的な IT 担当者は、営業部門とマーケティング部門のスタッフを除く他のだれよりも 1 日に顧客と話をする時間が最も長いでしょう。
  • 対抗案その 4: IT 部門は顧客のニーズに日々対応しています。顧客と交わしたサービス レベル契約 (SLA) を満たすために、IT 部門はフィードバックを募り、ほぼすべてのやり取りでフィードバックに対応しています。
  • 対抗案その 5: IT 部門は、価値のサプライ チェーンに欠かせないので、価値を創出していると見なせます。IT 部門を除外することは、生産性を除外することになります。これは、収益を創出するアクティビティを急停止させることに相当します。

誤解の追放は、IT 部門が今日のビジネスの中核を担っていることを正当化する第一歩です。次に、ビジネスの中心に IT 部門がある理由を説明する必要があります。

  • 主な原則その 1: IT 部門は生産性に動力を提供し、生産性は企業のミッションに動力を提供します。人々は、仕事をできる限り効率的に行い、非常に限られたリソースと時間の中で生産性を上げ続ける方法を探しているので、IT 部門は、このプロセスを実現する重要な役割を担っています。
  • 主な原則その 2: IT 部門は、共同作業、接続、および協力を可能にします。ビジネスの範囲が広範に及び、グローバルになるにつれて、IT 部門は、企業が成功を収めるうえで必要な統合と集中の潜在能力をもたらします。物理的に近い場所で作業ができない人々 (または、異なる部門や職位の人々) が、足並みを揃えて作業できることは、動力を提供している IT 部門のおかげです。
  • 主な原則その 3: IT 部門は拡張を可能にします。企業が、顧客やパートナーを増やして連携し、広範で働く従業員を抱えることにより、このような規模でコミュニケーションや取引を行うには、IT 部門がサポートしているシステムが唯一の方法になります。
  • 主な原則その 4: IT 部門は洞察を可能にします。生成されるデータと分析が必要なデータの大幅な増加により、すべてのビジネスは、データに基づいて、予想を立て、関連付けを行い、適切な決断を下すために IT システムを使用する必要があります。ビジネス インテリジェンスの分析における IT 部門の役割は、どの企業の未来にも欠かせません。

これが、ビジネスと IT に関与している人が IT 部門を受け入れて、現代のビジネスにおいて、IT 部門が中核となる役割を担っていることを理解する必要がある理由です。ビジネスを前進させるには、今後も IT 部門とビジネス部門を同時に前進させる必要があります。

Romi Mahajan

Romi Mahajan は、KKM グループの代表取締役です。KKM に加わる前は、Ascentium Corporation のマーケティング最高責任者でした。Romi はテクノロジとメディア回路に関する著名な講演者で、さまざまな諮問機関の委員を務め、また、年間 12 個以上の業界イベントで講演を行っています。

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