一般的な Eseutil エラーのリファレンス

 

ここでは、インフォメーション ストア データベース ファイル、トランザクション ログ ファイル、およびストリーミング ファイルに対して Eseutil を実行したときに発生する Extensible Storage Engine (ESE) の一般的なエラーについて説明します。

エラー コードと説明

次の表では、Eseutil の実行時に発生する一般的なデータベース エラーの一部について説明します。

エラー番号 JET エラー エラーの説明

エラー -327 (0xfffffeb9)

JET_errBadPageLink

このエラーは、データベースに論理的な破損がある場合に発生します。論理的な破損は、Exchange のバグやハード ディスクのクラッシュによって発生することがあります。クラッシュがエラーの原因になるのは、キャッシュからのページの書き込み順序が保持されないために、トランザクションの一部のページしか更新されず、他のページは古いバージョンで残された場合です。

エラー -501 (0xfffffe0b)

JET_errLogFileCorrupt

このエラーは、トランザクション ログ ファイルの物理的な損傷を示します。エラーの原因と影響は、データベース ファイルのエラー -1018 とほぼ同じです。このエラーの発生後にログ ファイルの修復や回復を行うことはできません。

エラー -510 (0xfffffe02)

JET_errLogWriteFail

このエラーは、Exchange が現在のログ ファイルに書き込めなかったことを示します。ログ ディスクがいっぱいか、ハードウェア エラーによってディスクにアクセスできないか、または別のプロセスによってログ ファイルがロックされている可能性があります。

エラー -514 (0xfffffdfe)

JET_errBadLogVersion

このエラーは、別のバージョンの Exchange で生成されたログ ファイルを再生しようとすると発生します。このエラーはメジャー バージョンの Exchange へのアップグレード後に発生することがありますが、場合により、データベース スキーマや内部に変更を加える Service Pack や修正プログラムによる更新の後に発生することもあります。このエラーの原因となる Service Pack には、Exchange 2000 Server Service Pack 1 (SP1) または Service Pack 2 (SP2)、Exchange Server 2003 SP1、Exchange Server 5.5 Service Pack 4 (SP4) などがあります。

エラー -515 (0xfffffdfd)

JET_errInvalidLogSequence

このエラーは、ログ ファイルがないこと、またはログ ファイルが他のログ ファイルと一致しないことを示します。このエラーが発生する可能性があるのは、ログの署名が一致しない場合、作成時刻がシーケンス内で他のログと合致しない場合、またはこのログが元のシーケンスの一部ではなかったことを示す別の問題が検出された場合です。このエラーが発生する原因で最も多いのは、ログ ファイルがないことです。また、データベースを何度か復元したためにそのデータベース用のログ ストリームが複数残されて、それらのログ ストリームを組み合わせようとした状況で発生することがあります。

エラー -519 (0xfffffdf9)

JET_errLogSequenceEnd

Exchange Server 2003 およびそれ以前のバージョンでは、ストレージ グループごとに 1,000,000 ログ ファイルまでのログ ファイル シーケンスがサポートされており、それを超えるとログ シーケンスを 1 にリセットする必要があります。この制限に達した後のデータベースの動作は、Exchange のバージョンによって異なります。Exchange 2000 や Exchange 2003 でこのエラーを解決する方法の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書番号 830408「ストレージ グループで利用可能なトランザクション ログがなくなっても、Exchange のストア データベースがマウントされたままになる」を参照してください。

エラー -530 (0xfffffdee)

JET_errBadLogSignature

このエラーは署名の不一致を示します。署名は実際には "適切" ですが、シーケンス内の他のログ ファイルと一致しないか、データベースに記録されているログの署名と一致していません。このエラーは、別のシーケンスのログ ファイルが検出されたこと、またはデータベースがクラッシュしたものの回復に必要なログがもう存在しないことが理由で発生する可能性があります。

エラー -531 (0xfffffded)

JET_errBadDbSignature

このエラーはエラー -530 とほぼ同じです。データベースとログ ファイルには、その両方に、それらを相互に識別して一致させる署名が存在します。すべての状況で署名が一致する必要はありませんが、署名の不一致が回復に影響する場合は、エラー -531、-530、またはその両方が発生します。エラー -531 の後で回復が正常に完了する場合もありますが、このエラーの存在は、トランザクション ログ データをデータベースに適用できなかったことを示しています。

エラー -532 (0xfffffdec)

JET_errBadCheckpointSignature

このエラーは、チェックポイント ファイルがトランザクション ログ ファイルと一致しないことを示します。チェックポイント ファイルを削除すると、このエラーは修正されます。削除すると、回復のために必要かどうかを確認するため、すべてのトランザクション ログの再スキャンも行われます。数千のログ ファイルがある場合は、この処理に数分以上かかることがあります。

エラー -533 (0xfffffdeb)

JET_errCheckpointCorrupt

このエラーは、壊れたチェックポイント ファイルが削除されたことを示します。Exchange のほとんどのバージョンでは、壊れたチェックポイント ファイルは自動的に削除され、再作成されます。壊れたチェックポイント ファイルは、使用できないため削除してもかまいません。

エラー -537 (0xfffffde7)

JET_errBadSLVSignature

このエラーは、現在の .edb ファイルと .stm ファイルが互いに一致しないことを示します。Exchange 2000 Server データベースまたは Exchange Server 2003 データベースは, .edb MAPI データベース ファイルおよび .stm ストリーミング データベース ファイルという 2 つのファイルから構成されます。これらのファイルは、相互に同期を維持する必要があり、他のデータベースで使用することはできません。

エラー -540 (0xfffffde4)

JET_errDatabaseStreamingFileMismatch

詳細については、エラー -537 を参照してください。

エラー -543 (0xfffffde1)

JET_errRequiredLogFilesMissing

このエラーは、ログ ファイルがないことを示します。正しくシャットダウンされた Exchange データベースはクリーン シャットダウン領域内に置かれ、ログ ファイルから切り離されています。データベースはこの状態では、ログ ファイルから独立しています。既存のログ ファイルはすべて削除可能で、新しいログ ファイルのセット、または異なるログ ファイルのセットを使ってデータベースを再起動できます。

note注 :
クリーン シャットダウンしたデータベースのログ ファイルを削除すると、以前のバックアップの有効性とロール フォワード機能に影響があります。

データベースが正しくシャットダウンされていない場合、データベースは 1 つ以上のログ ファイルにまだ関連付けられています。これらのログ ファイルは、データベースを整合状態にするために必要です。これらのログ ファイルを利用可能にできない場合は、データベースをバックアップから復元するか、修復してから再起動する必要があります。

エラー -544 (0xfffffde0)

JET_errSoftRecoveryOnBackupDatabase

このエラーは、データベースに対してハード リカバリの代わりにソフト リカバリが実行されたことを示します。データベースがストリーミング オンライン バックアップから復元された場合は、"ハード リカバリ" を必要とする特別な状態にあります。これは、通常のデータベース クラッシュの後で実行される "ソフト リカバリ" とは対照的です。ハード リカバリは、バックアップ アプリケーション内でトランザクション ログの再生が開始されるか、データベースとトランザクション ログ ファイルの復元後に Eseutil /CC が実行されることによって行われます。ハード リカバリの実行の詳細については、「Eseutil /C 復元モード」を参照してください。

エラー -548 (0xfffffddc)

JET_errLogSequenceEndDatabasesConsistent

このエラーは、エラー -519 を伴う場合があり、このシーケンスではそれ以上トランザクション ログ ファイルを生成できないが、データベースはすべてクリーン シャットダウン モードにあることを示します。つまり、トランザクション ログ ファイルを削除して、ログ シーケンスをリセットしても安全です。Exchange 2000 や Exchange 2003 でこのエラーを解決する方法の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書番号 830408「ストレージ グループで利用可能なトランザクション ログがなくなっても、Exchange のストア データベースがマウントされたままになる」を参照してください。

エラー -549 (0xfffffddb)

JET_errStreamingDataNotLogged

このエラーは、循環ログが有効で、ストリーミング データベース (.stm ファイル) に置かれたデータが記録されない場合に発生します。循環ログでは、ログ ファイルのデータがデータベース ファイルに書き込まれるとすぐにファイルが削除されます。これによってトランザクション ログに必要なディスク領域は少なくなりますが、バックアップからのデータベースのロール フォワードができなくなります。既定では、循環ログは無効にされ、データベースのロール フォワード用には不要になった余分なトランザクション ログの削除は、オンライン バックアップ プロセスで行うことになります。循環ログの設定を変更した場合は、すぐに完全バックアップを実行する必要があります。

エラー -550 (0xfffffdda)

JET_errDatabaseInconsistent

このエラーは、トランザクション ログ ファイルがないか、ログ ファイルのすべてのデータをデータベースに適用できない場合に発生します。データベースは、予期せず停止されるとダーティ シャットダウン状態になります (データベースの状態は、データベースが停止している間にデータベース ヘッダーを読み取ることで確認できます。詳細については、「Eseutil /M ファイル ダンプ モード」を参照してください)。

ダーティ シャットダウン状態のデータベースはまだトランザクション ログ ファイルと関連付けられており、起動する前にログ ファイルが適用されている必要がありました。このエラーを修正するには、必要なログ ファイルをすべて適用するか、データベースを復元するか、データベースを修復する必要があります。

エラー -551 (0xfffffdd9)

JET_errConsistentTimeMismatch

このエラーは、エラー -1216 (JET_errAttachedDatabaseMismatch) と密接に関連しています。通常は、ストレージ グループ内の他のデータベースがダーティ シャットダウン状態にあるときに、1 つのデータベース ファイルの未処理コピーを復元すると発生します。Exchange Server 2000 でこのエラーを解決する方法の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書番号 296843「エラー -1216 の後に Exchange 2000 Server データベースを回復する方法」を参照してください。

エラー -552 (0xfffffdd8)

JET_errDatabasePatchFileMismatch

このエラーは、Exchange 2000 Server Service Pack 2 (SP2) より前のバージョンの Exchange で、ストリーミング オンライン バックアップからの復元後に発生することがあります。修正プログラム ファイルは、以前のバージョンの Exchange ではトランザクション ログの再生に使用されたファイルです。Exchange 2000 用の Service Pack 2 では、最適化によって、修正プログラムのデータなしでハード リカバリを続行できます。

エラー -1216 (0xfffffb40

JET_errAttachedDatabaseMismatch

このエラーは、エラー -551 (JET_errConsistentTimeMismatch) と密接に関連しています。通常は、ストレージ グループのデータベースのいずれかが使用できなくなった場合 (ディスクが破損した場合など) に、そのグループ内のデータベースすべてが同時にクラッシュした後に発生します。Exchange 2000 Server でこのエラーを解決する方法の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書番号 296843「エラー -1216 の後に Exchange 2000 Server データベースを回復する方法」を参照してください。

エラー -1206

JET_errDatabaseCorrupted

これは一般的なエラーで、必ずしも深刻な問題を示すものではありません。このエラーは、重大度が軽度から中程度までの問題が見つかった整合性チェックの終了時に発生します。データベースで見つかった問題の詳細を確認するには、<データベース>.integ.raw ファイルで ERROR という単語を探してください。

詳細については、イベントとエラー メッセージについてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

Exchange 2000 Server Standard Edition でこのエラーを解決する方法の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書番号 313704 の、Srs.EDB データベースで整合性チェックを実行すると必ず JET_errDatabaseCorrupted エラー メッセージが返されることについての記事を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

エラー -939586631 (不明な

エラー、不明なエラー)

不明なエラー

このエラーは、Restore.env ファイルへのパスを誤って指定して Eseutil /CC を実行しようとすると発生します。このエラーの結果、メールボックス ストアはマウントに失敗します。この問題は、Restore.env ファイルへのパスを正しく指定して Eseutil /CC を実行すると解決できます。問題が引き続き発生する場合は、Eseutil /P の後に Eseutil /D を実行できます。その後で Eseutil /CC を再実行し、データベースの回復を試みてください。Eseutil /CC の実行の詳細については、「さまざまなシナリオで Eseutil /C (復元) を実行する方法」を参照してください。

詳細情報

これらのエラー コードの詳細については、以下を参照してください。

Extensible Storage Engine (ESE) のファイルの種類の詳細については、Extensible Storage Engine ファイルについてのページ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=68167) を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

詳細については、『Exchange Server データベース ユーティリティ ガイド』の以下のトピックを参照してください。